わが家の定番おみやげと言えば・・・

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わが家では、父が地方に出張したときよく買ってきてくれたお土産のほとんどは、おそらくお店ではなく、駅の売店などで購入したのでしょう。

伝統の合せ酢で中鯵の半身を締め、切り身にした鯵の押寿しは、食べてみると強そうな酢の味は思っていたほどではなく、もう1つ、もう1つと、後を引く味です。
豚肉と干帆立貝柱が入っている崎陽軒の焼売の特長は、冷めてもおいしいことです。
30個ほど入っている1箱全部、夕飯前に1人で食べてしまった私は、父に怒られたことがありました。
青竹の匂いが邪魔にならない竹ちくわは、スーパーで売っているちくわより魚の風味がより強く、おいしく食べられます。

これら3つのほかにも、いろいろなお土産を買って来てくれました。
中でも私が小学生ぐらいまでよく買って来てくれた定番のお土産が、静岡県浜松市の名産品、春華堂独自の「うなぎパイ」でした。
知名度がなかった浜松市で有名だった、浜名湖名産のうなぎをテーマにしたお菓子を作るため、社長と職人たちが試作を始め、試行錯誤を重ねた結果、「うなぎパイ」が完成しました。
「夜のお菓子」のキャッチフレーズで昭和36年に誕生した「うなぎパイ」は、現在までずっと職人による手作りが継承されています。
社長が考案したキャッチフレーズには、「一家団欒のひとときを『うなぎパイ』で過ごしてほしい」という願いが込められています。
数千層もの繊細なパイ生地の「うなぎパイ」ですが、厳選したバターと、特別に精製した粒子が大きなグラニュー糖、品質をチェックした小麦粉と、生地の材料はシンプルです。
生地にうなぎのエキスを加えて焼き上げたあと、社内のごく一部の人しか知らないオリジナルで秘伝のタレを塗れば、「うなぎパイ」の完成です。
微かに残っている私の「うなぎパイ」の記憶は、好きでよく食べていたことや、「お土産です」と言って近所の方たちによくおすそ分けしていたことです。
「うなぎパイ」の食感や味は、「源氏パイ」に似ていますが、タレにはほかのパイにはないおいしさがありました。
「うなぎパイ」があるときはよく食べていたわが家では、まさに「一家団欒のひとときを『うなぎパイ』で過ごしてほしい」を実践していました。

しばらく食べていないうちに時代が流れ、現在ではインターネット通販や近所のスーパーでもよく見かけるようになった「うなぎパイ」は、購入しやすくなりました。
きっとどこかで「うなぎパイ」を見かけると、子どもの頃の「一家団欒のひととき」を懐かしく思い出すでしょう。
「何気ない日常のひとこまも、いつの間にか思い出に変わっていくもの」としみじみ感慨にふけました。

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